韓国芸能人のニュースで「予備軍訓練に参加した」という話を見て、「あれ?兵役はもう終わったはずでは?」と思ったことはありませんか?
実は韓国では、現役兵としての服務を終えて除隊した後も、すぐに兵役の義務がすべて終わるわけではありません。除隊後は一定期間「予備軍」に入り、何年目かに合わせた訓練を受けます。
なお、韓国の公式発表や報道では、現役兵から予備役へ立場が変わることを「転役(전역/チョニョク)」と表現します。日本の記事でよく見る「除隊」にあたる言葉だと考えると分かりやすいです。
今回は、なじみのある「除隊」という言葉を中心に、韓国の予備軍とは何なのか、除隊後いつから何年目まで続くのか、訓練では何をするのかを分かりやすくまとめました。
韓国の予備軍とは?
韓国の予備軍を簡単にいうと、除隊した人が普段の生活に戻った後も、いざというときに備えて一定期間所属する制度です。
予備軍に入っている間も、普段は会社や学校へ通うなど普通の生活を送りますが、決められた年には招集通知が届き、予備軍訓練へ参加します。
予備軍は、有事など必要な場合には招集されることがあります。
つまり、除隊後に予備軍訓練へ参加したからといって、もう一度軍隊に入ったわけではありません。普段の生活を送りながら、決められた訓練に参加しているということです。
予備軍の韓国語「예비군」の意味
予備軍は韓国語で「예비군」と書き、「イェビグン」と読みます。
- 예비(イェビ):予備
- 군(グン):軍
韓国芸能人の記事やSNSで見かける「예비군 훈련(イェビグン フルリョン)」は、「予備軍訓練」という意味です。
韓国の予備軍は誰が対象?
予備軍の主な対象は、現役兵としての服務を終えて除隊した人です。また、社会服務要員など、補充役として兵役を終えた人も対象になる場合があります。
ただ、兵役を終えた人全員が、まったく同じ予備軍訓練を受けるわけではありません。
現役兵だったのか、社会服務要員などの補充役だったのか、軍事教育を受けたかどうかなどによって、訓練の種類や日数が変わります。自分に届いた案内に沿って参加します。
韓国の予備軍は除隊後いつから何年目まで?

韓国の予備軍は、除隊した年を0年目として、8年目の12月31日まで続きます。制度上は、服務を終えた翌日から予備軍に入ります。
ここで少し分かりにくいのが、年次の数え方です。
除隊した年は「0年目」となり、翌年が予備軍1年目になります。
| 年次 | 予備軍での扱い |
|---|---|
| 除隊した年 | 0年目。原則として予備軍訓練はありません |
| 1~6年目 | 年次や動員指定に応じた訓練を受けます |
| 7~8年目 | 予備軍には入っていますが、原則として定期訓練はありません |
| 8年目終了後 | 予備軍を終え、対象者は民防衛へ移ります。 |
たとえば2026年に除隊した人は、2027年が予備軍1年目、2034年が8年目です。
韓国の予備軍訓練は何をする?年次別の期間
では、予備軍訓練では実際に何をするのでしょうか?
訓練の目的は、いざというときに、自分の担当や動き方を思い出せるようにしておくことです。
射撃や戦術訓練、自分が入る部隊や担当の確認などを行いますが、全員が同じ内容を受けるわけではありません。一般兵の場合は、予備軍の何年目かと「動員指定」があるかどうかで次のように分かれます。
| 対象 | 主な訓練 | 期間・時間 |
|---|---|---|
| 1~4年目 動員指定あり |
動員訓練Ⅰ型 | 2泊3日 |
| 1~4年目 動員指定なし |
動員訓練Ⅱ型 | 4日間・計32時間、または2泊3日 |
| 5~6年目 | 基本訓練・作戦計画訓練 | 基本訓練8時間+作戦計画訓練計12時間 |
| 7~8年目 | 原則として定期訓練なし | ― |
なお、これは一般兵の基本的な区分です。将校・准士官・副士官は訓練を受ける年次が異なる場合があります。
動員訓練Ⅰ型
動員指定を受けた1~4年目の一般兵などが、指定された部隊へ行き、2泊3日で受ける訓練です。
いざというときに自分が入る部隊や担当を確認し、射撃や戦術訓練、安全に関する教育などを受けます。宿泊を伴うため、予備軍訓練の中では軍生活に近い形です。
動員訓練Ⅱ型
主に、動員指定を受けていない1~4年目の一般兵が対象です。
4日間で合計32時間、または2泊3日で行われます。通いで参加する場合もあり、日時や訓練場所は本人へ案内されます。
基本訓練・作戦計画訓練
5~6年目の一般兵は、基本訓練8時間と、前半期・後半期に分けた作戦計画訓練を合計12時間受けるのが基本です。
基本訓練では射撃や状況に応じた行動を確認し、作戦計画訓練では、自分が住んでいる地域で招集されたときにどのように動くのかを確認します。
韓国の予備軍訓練の日程と招集通知
「予備軍訓練は自分で日を選べるの?」という点も気になりますよね。
訓練日や訓練場所は、予備軍の何年目か、住所、所属、動員指定の有無などによって決まります。招集通知は紙やメールなどで届き、予備軍公式サイトやアプリでも確認できます。
一部の訓練では、公開された日程から希望日を選べる「訓練日程自律選択」という仕組みもあります。事前に申し込めば、休日の訓練や、住んでいる地域以外の訓練場を選べる場合もあります。
ただし、どの訓練でも自由に日程を変えられるわけではありません。特に、部隊へ入る動員訓練Ⅰ型は手続きが異なるため、届いた通知書の内容を確認する必要があります。
予備軍訓練の服装と持ち物
韓国芸能人が予備軍訓練へ行くとき、久しぶりに軍服姿を見られることがありますよね。
予備軍訓練には、原則として兵役を終えたときに支給された戦闘服と戦闘靴を着用して参加します。
動員訓練で案内されている主な持ち物はこちらです。
- 招集通知書
- 身分証明書
- 本人名義の口座番号
- 洗面用具、タオル、下着など宿泊に必要な物
除隊してから体形が変わり、戦闘服や戦闘靴が合わなくなっていることもあります。その場合は、訓練部隊によって貸し出しを利用できます。
部隊によって対応が異なるため、必要な場合は招集通知書に書かれた連絡先へ確認すると安心です。
予備軍訓練を欠席したらどうなる?
仕事や病気などで、指定された日にどうしても参加できない場合もあります。
認められた理由があれば訓練の延期を申請できます。一般訓練は、原則として訓練日の前日までに、所属する予備軍部隊または予備軍公式サイトから手続きします。
動員訓練Ⅰ型は兵務庁へ申請するため、一般訓練とは手続き先が異なります。延期申請は、原則として入営日の5日前までに行います。
何も手続きをせずに欠席すると無断不参加になります。
動員訓練Ⅰ型は、正当な理由なく1回無断不参加した時点で告発対象です。動員訓練Ⅱ型・基本訓練・作戦計画訓練は再訓練が案内され、同じ種類の訓練で3回目も無断不参加すると告発対象になります。
参加できないときは、必ず事前に延期手続きを行う必要があります。
予備軍訓練に報酬は出る?
「休日や仕事を休んで参加するのに、報酬は出るの?」という疑問もありますよね。
予備軍訓練は仕事のように給与が支払われるわけではありませんが、訓練の種類に応じて、訓練補償費・食費・交通費などが支給されます。
支給内容は、宿泊する動員訓練Ⅰ型、通いで受ける動員訓練Ⅱ型、基本訓練、作戦計画訓練によって異なります。金額が変わることもあるため、参加する年の公式案内を確認してください。
また、予備軍訓練への参加を理由に、勤務先や学校が不利な扱いをすることは法律で禁止されています。
社会服務要員も予備軍訓練を受ける?
公益と呼ばれることもある社会服務要員も、服務が終わったら予備軍に入るのか気になるところです。
社会服務要員は補充役として兵役義務を果たす制度で、服務を終えた補充役も予備軍の対象に含まれます。
ただし、全員が現役出身者と同じ訓練を受けるわけではありません。軍事教育を受けたかどうかや兵役処分などによって扱いが異なるため、それぞれに届く案内を確認する必要があります。
関連記事:韓国の社会服務要員(公益)になった芸能人一覧と判定理由
予備軍8年目が終わった後は民防衛へ
予備軍8年目の12月31日を過ぎると、予備軍としての期間は終了します。その後、対象となる人は災害などに備える「民防衛」に入ります。
民防衛は、原則として40歳になる年の12月31日まで続きます。
民防衛は予備軍とは別の制度で、災害などが起きたときの対応を学びます。
簡単に流れをまとめると、「現役などの服務→予備軍→民防衛」となります。
予備軍訓練に参加した韓国芸能人
もちろん、韓国芸能人も除隊後は一般の対象者と同じように予備軍訓練へ参加します。
2PMのテギョンは、2022年に予備軍訓練へ参加したとみられる写真をInstagramに投稿しました。
兵役中に助教として服務し「キャプテン・コリア」と呼ばれたテギョン。除隊後に再び見せてくれた軍服姿も話題になりました。
関連記事:2PMテギョンのプロフィールと兵役
関連記事:2PMテギョンの入隊から転役まで
韓国の予備軍に関するよくある疑問Q&A
最後に、韓国の予備軍について疑問に思いやすいことを簡単にまとめます。
韓国の予備軍は何年ありますか?
除隊した翌年を1年目として、8年目の12月31日まで予備軍に入ります。ただし、定期訓練を受けるのは原則として1~6年目です。
除隊した年にも予備軍訓練がありますか?
除隊した年は0年目となるため、原則として予備軍訓練はありません。翌年が予備軍1年目です。
予備軍7年目・8年目は何をしますか?
予備軍には引き続き入っていますが、原則として定期訓練はありません。必要な連絡を受けられるように、住所や連絡先を正しく登録しておきます。
予備軍訓練は何日間ですか?
1~4年目で動員指定を受けた一般兵は2泊3日、動員指定を受けていない場合は4日間・合計32時間または2泊3日が基本です。5~6年目は、基本訓練8時間と作戦計画訓練合計12時間を受けます。
予備軍訓練の日程は自分で選べますか?
動員訓練Ⅱ型や基本訓練など、一部の訓練は公式サイトやアプリから希望日を選べます。休日訓練や全国単位訓練を利用できる場合もありますが、事前の申し込みが必要です。
予備軍訓練中にスマホは使えますか?
予備軍公式サイトでは、スマホなど個人所有の情報通信機器は原則として訓練部隊への持ち込みが禁止され、訓練部隊の承認なしに使用した場合は退所処理の対象になると案内しています。
実際の取り扱いは訓練部隊によって異なる場合があるため、当日の案内や部隊の指示に従う必要があります。
社会服務要員も予備軍に入りますか?
服務を終えた補充役も予備軍の対象に含まれます。ただし、軍事教育の履修や兵役処分によって訓練の扱いが異なるため、現役出身者と全員同じではありません。
韓国の予備軍と除隊後の訓練まとめ
韓国の予備軍は、除隊した人が普段の生活に戻った後も、いざというときに備えて一定期間所属する制度です。
除隊した翌年が予備軍1年目となり、8年目の12月31日まで続きます。定期訓練があるのは原則として1~6年目で、年次や動員指定によって訓練の日数や内容が変わります。
韓国芸能人の「予備軍訓練に参加」というニュースは、もう一度入隊したという意味ではありません。普段の生活を送りながら、除隊後に決められた訓練へ参加しているということです。
「兵役は終わったはずなのに、なぜまた軍服を着ているの?」と思ったときは、予備軍訓練に参加している可能性があるということですね。